映画が終わり、点灯されず
また最初から、始まった
つまりここは、昭和かどこかだろう
母がよく話してた、一日じゅう映画がみれる場所
父さんは何度も見るのが苦手なひとでね、
黙ってさきに出て ....
月世界の火点し頃
逆手の我らは
スワンの両腕を折り畳みて
空飛ぶ真似をする
天を恐れる者たちは
その早業から
逃れようと
地下に溶けて岩となり
我らを忘れる
きみの影が伸びてつくる
長い坂を
鬼たちが追いかける
生業にfortune-tellerを選んだ男が
明日滅びると知る街で
子供たちに幸せな未来を語る
紙芝居のカードをめくる
朝食のクッキーを食べながら
ライフセーバーハウスに行くと
私の ....
二十二時三十秒に待ち合わせ
一秒だけ重なる世界
きみのいない世界に行きたい
秒針と秒針
どんな五十九秒も
最後の一秒で入れ替わる
きみのいる世界に行きたい
移りたい
二 ....
絶対に敵わないと思ったら
そこに誰かを置きなさい
戻ってきても
逃げなさい
吊り橋を渡ってから
落とそうなんて
僕らの後からくる
かもしれない
希望も
捨てるのかい?
この先に
奴らがいても
戦うのかい?
今度は逃げずに
わからない ....
人間を圧縮すると
すごく小さくなるんだよ
と聞かされたとき
彼女は宇宙を感じた
人間を材質に分解すると
10ドルにもならないと知ったとき
なぜか
アンドロメダのことを考えた
愛 ....
雨にふれないように
玉蜀黍の実を折りながら歩く
ここを子供たちに
ゆずる頃合いかもしれない
廃線のレールの上を
ボールが転がっていく
磁力で制御しているのか
きれいに草を刈っていく
妻 ....
古い洗濯機が回る
脱水の力はもうない
母親が捨てるのはもったいないから
おばあちゃんちに持って行って
花壇かエコカプセルにしましょうと
言ったから
春になれば
それらしく緑になる ....
眠る月
きみは銀河に浮かぶ
きみは灰
月の興味を失う
あなたが先に教室を出ていく
雨が降る前に帰りたい
ぼやけた緑の黒板
廊下はもう湿っぽい
誰もいない教室がならんで
停泊してる船
セレモニーが終わる
家から1マイルほど離れた公園で
タクシーを降りて
ナップサックを開け
鍵をさがした
予想に反して
父親がドアの前で待っていた
「疲れたか?」
私は首をふった ....
あなたの隣で関羽が世を憂いている
あなたの隣で横断歩道に並んで
あなたの隣で青信号を待ちながら
青龍偃月刀に鬚髯を搦めている
あなたは彼ほど強くないけれど
今関羽は眩しそうに
隣で生き ....
砂糖の角を削る
わたしはわたしに必要な分だけ
あなたからあなたを削る
雪原を歩いて川の縁に立つ
流れに足をつけ
靴底で感触を確かめる
目の前を無数の氷雪が流れていく
昨日のことを考えて
ヌルヌルと滑る生物の営みに
足を取られそうになる
....
本の外側に立っている
捨てられた帯には
「ここに解凍しますか?」
と書かれている
灰をかき出しながら
背中の痛みを感じていた
ひどく殴られた場所が熱を持ち
直そうとしているのだろうか
この灰は人間だったものだ
そして薬になる
被害者がここにやってくる
スコップ ....
古く錆びれた配管の中で
ライトを咥えて屈みこんでいる
作業服に目出し帽、ジーンズの尻は破れ
左手で右手を押さえている
くそったれな血め・・
鍋つかみだってなんだっていいからしておくべきだった ....
一緒に食事をするときは
3つ離れたテーブルに座ります
電車はひとつ遅れます
あなたの姿の端っこが
見えてるくらいの所にいます
急に踏み込まれると
うろたえてしまうので
校庭か ....
日曜日のスーパーできみに会って
問題はヒゲを剃ってこなかったことと、それに服がださいことと
まあ色々あるけどとりあえずあわててエチケットカミソリを買ってトイレで剃ったら
すげー痛くて「血が出てる ....
カッコウが火の鳥のまねをしている
帽子みたいに着せかえられれば
よかったのにね
夢中になりすぎて枝から落ちるキツツキの
ものすごい顔
僕に助けを求めて鳴く
カッコウ
わたしが泣き出すと
姉は自分の手のひらにエノキさんを描いて
「もう泣きやみな」と言った
エノキさんは森の木こりだった
中学にあがったとき
両手にマニキュアを塗ってくれた
わたしは水色の ....
テーブルのチェス盤を
ホームレスの男が布きれで拭いていた
ジュースや鳥の糞をこすり落とし
手でベンチの砂を払う
彼は物乞いではなかったけれど
ここに通う常連は
ヌードルやスナック、財布 ....
一緒の学校だったらよかったね
同じ歌がすきだったのにね
いつかどこかで会いましょう
いつか一緒になりましょう
来世はないけれど
想像するのは楽しいね
ミシガン
叔父がテーブルのオレンジを
見つめたまま
わたしに話しかける
「種のない実をつける木を見たことがあるか?」
わたしは首をふる
気の利いた答えを
期待されてるわけではない ....
どうしてきみの猫は笑うのだ?
私の猫は笑わないのに
どうしてきみのカレーは肉が多いのだ?
明日は大雪になると
天気予報がゆってたから
四十%オフの長靴と合羽セットを買ったのに
風邪を引 ....
乗り合わせたエスティマの中で
係長が少女のように笑ってた
動かないエスカレーター
標識
地下五十二階
これ以上進むよりも先に
シャッターを壊して役立つものを
手に入れるべきだろうか
それとも誰かを・・
エスカレーターの底が見えない
....
色のない鉱石を積んで
仲間を探した
冷帯のないこの地方には
生きる望みがあった
書庫だった場所を掘り返し
判読できる紙を集めて
キャンプに持ち帰った
同じ日々が続く
薬 ....
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