放課後の防波堤
風に飛ばされた傘が舞ってる
黒い海が砂を食べる町
昆布と赤蟹が名産
耳は波の音を消す
年始の風邪で寝込んでる
このまま死んでも誰かが
魔法の杖で蘇らせてくれる
ことはない
人生は私と共に消える
冷たい窓を少し開けて
部屋と宇宙を繋げてる
外の冬。ベッド ....
本を閉じる
そっと息を吐く
一階に降りるとテレビは古いムービー
くたびれたソファで父が眠ってる
ビール缶を掴んだまま
外は降り積もる雪
カーテンをずらすと夏の夜
そっか雪 ....
私たちは大丈夫だと伝えたくて
せーので光ってみる
包装紙に包まれたままの
アンハッピーエンドの朝
床に散らばった窓鏡
つかの間、家族で過ごすお正月
集めても元に戻らない
願っても新しい日はこない
全部魔法
私が罅割れてから砕けるまでに
見た夢
世界がいくつにも
増え ....
来年は偶数だから私の番ねっ!
妹が乱暴に舵を切る
まだ今年が残ってるでしょ!
あと数分じゃん!
言い合う私たちの顔に
末尾が0の姉がアイアンクローする
1の姉はもう寝てる
会うた ....
帰省した池のほとりで
生き残ったツリーが光ってる
小石を拾って投げてみる
魚たちごめんね
横断歩道で停車すると深々とお辞儀される
私も誰かにありがとうって言いたい
母と妹は海外旅行。寝 ....
気づかないまま予感だけすれ違った
カプセルが
音も立てず床を転がって
机の脚で止まる
私はそれを拾って飲み込んでみる
(人間が飲んだら死ぬよ)
どうせ夢だもの
カーテンが揺れて
雪風が吹き込んでる
水も ....
サンタさんもう帰っちゃった?
プレゼントのぬいぐるみを抱えて
娘が下りてくる
テーブルのミルクとビスケット
サンタさんお腹いっぱいだから、これはレナが食べてだって
一緒に食べよっか? ....
意味も知らない四十九日
できれば輪に入らずに
木陰に座ってたい
そしたらタバコを吸いに
きみも出てくるでしょ?
戦いの跡さ
箒星から怪獣群が飛来する五百数年前
世界で誰も恋をしてない一秒が
11時38分23秒に訪れる
日本時間で今日
眠れないから針を投げる
夜がナマズみたいに口を開けてる
忘れた頃に届いた手紙
still love you.なんて
文末に軽く添えやがって
こっちは本気だったのっ!
白くなった ....
閉じた窓をあけて
ほらみて半月
スターバースト
愛はないと
すべてあきらめて
エメラルドの帳が降りて
私が泣いたのは
誰かを見つけたかったからで
誰かに見つけてほしかったか ....
ひとつの、無限の神様たちがクジを曳いて
行き先を割り当てるの
きみはジェーン、あなたはトッド、あの子はエーゲ海、絨毯、松の実、石の影
人類最後の嘘って何だと思う?
命? 神様? うーん ....
少女は座る
コンクリートのひび割れ
髪を揺らす
残響がささやく
優しくすり減った骨を
胸に抱く
ごめんね
もう運んであげられないみたい
静かな光
紙の地図 ....
空気は暖かい
そして重い
死なない程度に手をつなぎ
死神と桜の道を歩く
路肩駐車。点滅信号
誰かの笑い声が遠ざかってく
腕がないおもちゃを拾う
灰衣の裾で風が舞う
....
ひとひらの灰
切れそうな電線で赤い鴉が鳴く
あれを訳してみて
意味のない歌のようです
そう
また歩き出す
瓦礫の橋で合成肉を齧る
この川を渡るのですか?
てんとう虫がとまる
....
一音ずつ弾くあなたと
一語ずつ書くわたし
電球が一つ
果てみたいな夜
肩が触れる
燃え尽きたみたいに
落ちる
灰
目を閉じて雨音に耳を傾けてる
庭先には菜の花と幽霊
生まれたばかりの春風が
私たちを経由する
指の痛みで目がさめた
握り込んだ爪が刺さって痕が深い
まだ夢を憶えてる
フリーマーケットでマスキングテープを買った
店主が困っていたので裁縫道具をあげた
家に帰るとパーティがもう始まって ....
眼鏡を無くしたので苦手なコンタクトを付ける
燃えた街を空から見渡す
uberで行くつもりだったけれど父が迎えに来た
半休を取ったらしいありがたや
これホワイトデーだってお母さんから
おお ....
空港の本屋でファイブスター物語を買って
エスカレータを降りる
甘いホットチョコレートを飲みながら
雨に濡れる機体を眺める
カップを捨てるついでにストレッチして
夢中になっても気付けるよう ....
古城裏手の搬入路から
石段越しに海が見えた
逆影のように
夕日が登ってくる様がお気に入りで
飽きることなく見つめてた
牛の骨が好物で
ブタクサを噛むとくしゃみをする
彼の名はジャッカ ....
少女が石を拾う
気まぐれの戦利品じゃないことは
知ってる
ループが繰り返しではなく
死と再生の渦であることも
かつて人類の到達点は
地球を太陽にすることだった
あらゆるも ....
悲しいことがあったなら
目を閉じて数を数えなさい
ひとつ。1歳の出来事
ふたつ。2歳の出来事
そんな風に思い浮かべながら
自分の一つ先の歳まで
人や運命を憎みたくなったら
海を憎 ....
冒頭に流れる陽気なラジオ
今年一年を振り返ってる
あてもなく車を走らせながら
あなたとの結末を思い出してる
ねえ、気付いたかい?
クレジットの旋律が物語全体と同じなんだ
側 ....
燃えるものがなくなると炎は消えた
それから数万年
水も酸素もない高温状態が続いた
やがてシェルターから出てきたのは
天使と悪魔だった
彼らは魔法のような力で地上を再現し始めた
地下 ....
母は人間で父は鬼だった
私と兄は半分ずつの鬼だった
理由もなく殺され
重ねて竹林に埋められた
だからあの子は竹から生まれた
あの子は人間だった
兄を吸い取り鬼となった私は
....
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