砂場に散らばるコトバを見ている時に
私は居ない
コトバは私の方をじっと見ている
私を見ながら
私の名前を砂場に並べてみせた
私は後ずさりする
後ずさりする時にも
私は居ない
コトバ ....
砂遊びのあとの
誰かの
足跡に踏まれて
散らばるコトバのかけらたち
やがて芽を出すのか
生れたて
二葉の色をしている
欠けた珈琲カップ
転がる
誰かの
忘れもの
危ないから
....
うつ伏せに浮かんでいる文字の背を言葉に
揺れる水面
浮き沈むかたち象る
遠ければ遠いほど意味は重たく
暗い水底から手招きする魚影
木葉日のレモンカードの行方知らない
小鳥啄んでいる ....
土の香を清々うたふ水仙の花
瀬音に秒針の音紛れ込む冬日
金魚がいると思ったら、赤いプラスチック容器
PayPayと鳴く鳥がいるらし
ジャンボ機から見れば小人のような私の暮らし
多様性クローンで無ければ誰でもそう
海鳴りを昭和のドラマに聴いてゐる 鬼籍に入りし人偲びつつ
風花やビル立ち並ぶ回路舞ふ
調子っぱずれの音を奏でている駅ピアノ 冬休みももう終わりか
柱の隙間から拝む富士山となりました
子沢山の家の洗濯物 日が落ちてもまだ風に揺れている
最強寒波襲来 シクラメンも私も家に ....
お正月、ゴミ集積所にも人形が貼ってある
冬空に鮮やかな花梨の水玉
内股でランニングしている人とすれ違う
冬枯れの木で沈黙する柘榴の実
子供たちが帰って、またシーンさんがやって来た
若いなあと思いつつ同じフレーズでまた泣けるフジファブリック
花を抜くのも潔いのが名ガーデナーらしい
ビスが一つ落ちている。もう元の場所には戻らないだろうな
歩行者一人行かせて不満げな ....
海に向いた拡声器が知らせるある漁師の死
車の目前に降り立った白鷺にも母の話は途切れずに
黙々とボールを蹴る子冬木立
小さき鉢の菫に冬のひかり憩う
水平線を折るその指先から飛び立つ折り鶴
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