[5]佐々宝砂[2004 11/28 19:41]☆
窈窕(ようちょう)の繊身を束ねん。
嗟(なげ)かわしいかな、温涼の気を異にすれば、
或いは故きを脱ぎて新しきを服(き)るを。
願わくは莞(かん)に在りては席(むしろ)と為り、
弱体を三秋に安んぜん。
悲しいかな、文茵(ぶんいん)の代り御して、
年を経(ふ)るに方(あた)りて求められんことを。
願わくは糸に在りては履(くつ)と為り、
素足(そそく)に附きて以て周旋せん。
悲しいかな、行止の節有りて、
空しく床前に委棄せらるるを。
願う所は必ず違(たが)うを考(おも)えば、
徒らに契闊(けっかつ)して以て心を苦しむ。
情を労して而も訴うる罔(な)きを擁(いだ)き
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