[5]佐々宝砂[2004 11/28 19:41]
「閑情の賦」 陶淵明

清音を激して以てわれを感ぜしむ、
願わくは膝を接して以て言(ことば)を交えん、と。
自ら往(ゆ)いて以て誓いを結ばんと欲するも、
礼を冒すのあやまち為(た)るを懼(おそ)る。

鳳鳥を待って以て辞(ことば)を致さんとすれば、
他人のわれに先んぜんことを恐る。
意(おもい)惶惑(こうわく)して寧(やす)きこと靡(な)く、
魂 須臾(しゅゆ)にして九遷す。

願わくは衣(ころも)に在りては領(えり)と為り、
華首の余芳を承けん。
悲しいかな 羅襟の宵に離るれば、
秋夜の未だ央(つ)きざるを怨む。

願わくは裳(しょう)に在りては帯と為り、

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