君の街まで桜色のバスに乗って〜冬から春へ〜/はじめ
 
 君の街へ白のバスに乗って病院へ行く
 君の街は僕の乗っているバスを最後に閉じられる
 僕は病状が悪化し 入院することに決まった
 喫茶店のバイトも辞めた 詩を書くこともやめたのだ
 氷でコーティングされた桜のトンネルを抜ける
 雪の降り積もる君の街は死んでいて 
僕と同じような境遇の人間が過ごしている
 もう永遠に春は来ない
 隔絶された君の街で僕は永遠の命を燃やすつもりだ
 
 入院しながら作業所で働く
 何の感情も持たない人達と一緒に 動く人形達と働くみたいに
 もう何年君の街に住んでいるだろうか
 僕は自分の歳を忘れてしまった
 繰り返される単調な毎日

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