君の街まで桜色のバスに乗って〜それから〜/はじめ
 
 君の街で喫茶店を開いてから八年が経つ
 今年も染井吉野が色鮮やかに咲き乱れる
 桜色に滲むトンネルを通って君に会いに行くよ
 今までの経験を基にして書いた詩で賞を貰ったよ
 今度詩集が出るんだ タイトルは「君の街まで桜色のバスに乗って」
 君は近くて でも遠い場所に住んでいる
 天国と言ってもいいかな
 桜色のバスに乗って君に会いに行くよ
 君の街から「桜色の君」の元へ 気の遠くなる時を越えて

 目が覚めると君の家の前にいるんだ
 扉をノックすると 君は微笑んで家から出てくる
 君の作った料理を一緒に食べるよ
 もう君の声は聞こえない その代わりいつだって君に会える
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