君の街まで桜色のバスに乗って〜冬から春へ〜/はじめ
君の声と彼女の声が僕の精神を悩まし破壊している
ある夜君は僕の前に現れた
「あなたならきっと私の街を出ても上手くやっていける。生きて」
僕は目を疑った けど笑顔になって言った
「春になったら会える?」
「会える。希望を捨てないで。あなたには大きな未来があるの。私の分まで一生懸命生きたら必ず私に会えるわ」
「約束する?」
僕は涙を拭いた
「約束するわ。あなたと出逢ったいつかのように。さようなら」
「さようなら」
君は静かに背景に溶けるように消えていった
僕の心は晴れ渡り 桜の咲き誇る君の街を離れることになった
始発場からエンジンを勢いよく吹かし膨らんだバスが出る
桜のトンネルを抜けるとき 僕は後ろを降り向いた
君の街から新しい世界へ 桜色のバスに乗って
前 次 グループ"君の街まで桜色のバスに乗って"
編 削 Point(5)