降り来る言葉 ?/木立 悟
 


悲しい歌がひとつ終わり
静けさが喜びのようにやってきて
ふたたびはじまる悲しさに微笑む
雨の花に空は映り
空には雨の地が泳ぐ



水の歌が降り
歌の水が降り
鳥は失った翼に出会う
はじめてのはじまりの金色を見て
子らはみなよろこび
じっとしていられない笑みをほどいた
笑みは新しい手になって
常にひとつの手になって
終わらない夜に火を結んだ



動くもの
動かないものが混じりあい
別の動きを浴びている
読むもののない字のような
歌と色とを浴びている



つらぬき ひろがる
みなもと その端
すがた ひろがる
一から
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