降り来る言葉 XLII/木立 悟
 





ひかりたからか
からか からか
穂の息ひそめ
言の火ふらす


窓のふくらみ
煉瓦の道
こだまする影
屋根に立つ影


風のなか揺るがぬ星や星
足の指がつかむ音
春になれず冬を去れず
いつまでも地を聴きつづける空


うたうたうもの
うたえるもの
うたを得るもの
ひとりあふれて


何にも触れず
音は泡立つ
迷い道は二十七とせ
すぐにすぐに通りすぎる


午後の緑
遠く遠く吼えるもの
口つぐむものの分身
あるいは双子 あるいはたましい


言葉にならない音は言葉
言葉になれないほどに言葉
光は言葉 炎は
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