降り来る言葉 XLIII/木立 悟
 





荒んだ目の子が
昼を見ている
風は高い
指は遠い


地にあおむけの空が
上目づかいで地を見つめる
腕ひろげ
見つめる


誰かが見たいと望んだ数だけ
月は道に並んでいる
坂のむこう
街はまぶしく眠っている


救われはしない
進むひとひら
雨のなかを
水のなかを


己れの内外
揺らぎ濃淡
丘の上の
影と一輪


何もつまびくことなく
響きの上に置かれる指
培うことの無さ
光の粒にまみれて


番号は番号の終わりに向かい
くちばしは横からそっと押される
水のそばの列
ひかりぬるやか


ずっと
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