降り来る言葉  XLIV/木立 悟
 



闇のほつれが夜の樹となり
蒼を高みへ押し上げている
低い音のあつまりに
音のまだらに震え立つもの


冬を割り
冬を負い
夜の泡が
光を目指し


道の角ごとに
またたく亡霊
剥がれ降るもの
四月 四月


無言の胸を昇り降り
常に起爆の中心に居り
さらに光
さらに光の十二月


つまびきや
かたむきや
花に見えない花にそそがれ
生まれながらにつながりうるもの


やさしくうなづくまぶたの上に
いとおしいいとおしいとくちづける棘
おまえがおまえに流す夕焼け
明けることなど知らぬ夕焼け


鉄が鉄にひらく音
星がそ
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