降り来る言葉 XLV/木立 悟
時と硝子
偽りと森
砂のなかの息
くりかえす泡
持ち上がり
青を発し
影に溶け込み
それでもそのままの己れで居る
髪の長い子がふたり
手のひらを合わせ
手のひらを聴いている
目を閉じ 唇を閉じながら
かがやきは濡れ
かがやきはこぼれる
かがやきはしたたり
かがやきは凍る
通じない道に通じる
冬のひと言ひと言を
あらゆる縦に貼ってゆく
あらゆる特権を廃しながら
ひとつよりふたつを選ぶものに
内の響きはのしかかる
熱いものには辛く
包むものからほとばしり
痛みを叫びつぶやき
声
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