降り来る言葉 XLVI/木立 悟
 





非対称のしあわせ
暗がりのむらさき
すれちがう音
知ることなく去る音に
黒が結ぶ蒼


星ぬぐう想い
明かりの消えた
棘 棘 棘
招びよせたなら
(ぬくもりなら)


舌の上の陽
舌の森には
樹は無く樹は在り
直ぐの言葉の
曲がる端々を染めている


やわらかな刃の花の径
通りすぎた証として
常に水と手のひらを
傷の光にまたたかせて


水から水へ手繰る糸
薄目をあけ 河口へ向かい
まちがいのない双子の浪
問いばかり
問いばかり撫でて



黒と金
夕べの鈴に威厳なく
蒼の砂
夜から夜へのこだまとして
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