降り来る言葉 XLVI/
木立 悟
て
緑けずる空
贖いもなく降る笑みの
むずがゆい
むずがゆい朝の曇
庭のすみの
傷の光
名前を名前にほどくたび
午後は夜をすぎてゆく
影をしとどに鳴らしながら
浅い底に雪は来て
胴は暗く溝へ逃れる
水をゆく蛇を見つめる鳥
聞こえることのない合奏の
金と緑のはざまにうたう
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