降り来る言葉  XLIX/木立 悟
 





曇を燃し
曇を鳴らす
無塵の街
暮れてゆく


滴の原にはじけるもの
風を風にする光
ゆうるりと倒れ 起き上がる影
うた 手のひら うた


 雨の左
 音だけの闇
 手首から西
 小さく 叫ぶ


すべての道がぼやけはじめ
みどりの箱にふちどられ
森を押す森 乳の午後
何も見えぬ 何も見えぬというざわめき


光を生む湿り気の
あたたかな遠さ見えなさの
そびえ立つ
地の色をした空の


 こがねの裏
 道はつづく
 見えぬものの王
 静かに歩む
 (踏みしめる)


斜めの色の路地と口笛
胸ふさぐのは
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