降り来る言葉 L/木立 悟
 





水に流れない塵が
水のなかから夜を見ている
水と 水ではないものの影
常の渦 常の渦


遅れる光
手になじみ
音の背の丘
曇と息は見つめあう


痛みの矢が街を飛び
出てゆくことなく消えてゆく
曲がり角にひらく光
壁を覆い 夜を昇る


凪の夜の
枝葉で居る
0枚か∞枚の
明るさで居る


光も朝も
反対を向き
光も朝も
おのれの揺れを聴き


欠けた数字に
心臓が乗る
あやまちをあやまちに
応えつづける


ひとつの庭
見知らぬ器械が
見知らぬうたを
むらさきに塗る


離れることも 離れす
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