あおしんじゅ/もも うさぎ
 

揺れる
ろうそくの影に
ひそひそ 降り積もって
あたしは見てたけど


そうね

それだけなら
きっとあたしだって
なにもかも投げ出したりしなかった

綺麗だったから
手が届かぬくらい
憎いほどに
綺麗だったから


雨音に吸い込まれて
濡らした睫毛も汗もかわいて
樹海になんて
誰も行ってないと言って
海にだって
誰も行ってないと言って

なぐさめて
怖いって
こどもみたいになんか
泣きたいわけじゃないんだから
綺麗だって
泣くの




もう少しだけあたたかくなったら
春の雨に打たれながら
この向こう側の空を見よう 
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