ヒューム「ベルグソンの芸術論」(1)/藤原 実
 
ベルクソンの言う「直接的な視覚、単語のヴェールを突きとおす視覚」(「思想と動くもの」[訳]河野与一:岩波文庫)を持つために、ヒュームが強調するのが「新鮮な比喩」「新鮮なイメージ」ということです。


ことばを馬鹿正直に用いたのでは、いつも、ものの独自性が逸し去られてしまう。言語は、公共的な器官なので、その情緒のうちで、ただ、われわれすべてに共通な部分だけを、伝達するにすぎない。
……どうしても、新しい比喩や新しい形容語句に案出しなければならない。
            (同)

 
比喩とは異質の要素、通常では遠く離れた関係のもの
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