ペイター「ルネサンス」 (4)/藤原 実
 
あらゆる芸術になにか根本的に共通するひとつの想像的な思考があって、それが作者個人の志向性によって詩や音楽や絵画などの形態に翻訳される、というような内容主導主義をペイターは否定する。


 


「各芸術の感覚的内容は、他の芸術の形には翻訳不可能な特殊な美の相あるいは性質をもたらし、劃然と種類の異なる印象を作り出す、という原理を明確に把握することこそ、すべての本当の美的批評の第一歩となるのである」
                              (「ジョルジョーネ派」)

 
たとえば絵画であれば、その主題の文学的要素
[次のページ]
   グループ"『世界の詩論』(青土社)を読む"
   Point(3)