ヒューム「ベルグソンの芸術論」(1)/藤原 実
という知の遠近法を根底から揺るがせてしまった。その結果、世界という見慣れた場所は確実な準拠枠を失って、不確実で偶然的な、見知らぬ場所へと変貌することになる。」
(塚原史『ダダ・シュルレアリスムの時代』:ちくま学芸文庫)
ロートレアモン(1846-1870)の「ミシンと洋傘との手術台のうえの不意の出逢い」はこういう(イメージからそれにまとわりつく観念を排して説明不要の「もの」として差し出そうとする)「オブジェ」としてのイメージの先駆けでした。
「まず、さまざまな事物から自己を引きはなし、自己との関連に
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