ヒューム「ベルグソンの芸術論」(1)/藤原 実
 
けですが、詩人の眼はそんな「冒険的な眼」なのだ、と北園克衛(1902-1978)はいいます。



彼女たちは美しいことが何であるかをよく知ってゐて
不意に写真機のなかへ真逆に墜ちて来ます
(パラソルの骨も折らずに)

    (北園克衛「美しい秘密」)



北園は二十代のころを回想して、


「幾何学的な芸術、T.E.ヒュームのオピニヨンに共通した非人間主義的な傾向を鮮明にしていた。ネオ・ダダ運動としてマニフェストしようと考えたりした」
            (「黄色い楕円:一人のVou
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