ヒューム「ベルグソンの芸術論」(1)/藤原 実
マン主義からサンボリズムへの問題というのは認識論の問題でもあり、もっと単純化していうと、ものを見る「光学」(オプティックス)の問題でもあるわけです。ロマン派の場合は、ものを見るというのは、前に話題になったように、ワーズワース的に、ものと主体が一体化するという形、あるいはブレイク、コウルリッジのように、ものを主体に取り込んじゃうという形はあるにしても、とにかくものをその本質において見る、そしてそれに観入する(ペネトレイト)という形をとって。これがアーノルドになると、「ものをありのままに見る」(to see things as they are)というモットーになる。アーノルドの意味は、ロマン主義の病
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