ヒューム「ベルグソンの芸術論」(1)/藤原 実
バラージュ『映画の理論』[訳]佐々木基一:學藝書林)
瀬戸賢一は『メタファー思考』(講談社現代新書)の中で、さまざまな例を引きながら、われわれの五感−−−視・聴・嗅・味・触−−−が世界に張り巡らされた鋭敏なアンテナであり、人間は世界を五感によるさまざまな「見立て」(メタファー)によって言語化することで意味づけ、理解するものであることを明らかにします。
ちなみにこの「明らかにする」というのも「明るい性格」「暗い過去」「明暗を分ける」などとともに、視覚によるメタファーの一例です。そして五感によるメタファーのなかでももっと豊かな広がりを持ち、他の感覚を圧倒する力
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