ヒューム「ベルグソンの芸術論」(1)/藤原 実
Ways of Seeing−視覚とメディア』[訳]伊藤俊治:PARCO出版)
ベラ・バラージュ(1884-1949)は「映画芸術の誕生とともに、たんに新しい芸術作品が生まれたばかりではない。新しい芸術を受けとり理解する新しい人間の能力もまた発達したのである」と言い、本来は断片的なイメージのつなぎ合わせにすぎない映画をバラバラな画面ではなく、同時に同じ場所でものごとが起こっているように感じられるためには、観客が新しい「観念を連合する方法を、あの意識と空想を統合する方法を学んで、しっかり身につけ」なければならなかったのだ、と言います。
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