ヒューム「ベルグソンの芸術論」(1)/藤原 実
 
「神」という超越性の凋落も同時に招いたが、権力そのものの超越性はかたちを変えて「理性」となって生き残ったのだ、といいます。


かつての「神」に代わって、今度は「理性」が近代的権力の超越性を根拠づけるのである。
…王権神授説における国王の場合のように特定の人格中に形象化されることなく、 「自由で平等な市民」の精神の内面にとりこまれる。そして、理性が「個人」において内在化された結果、十九世紀ヨーロッパ社会をつらぬくコンセプトとして「理性的主体」という概念が成立するのである
        (同)


そしてこの「理性的主体」が詩的言語
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