ヒューム「ベルグソンの芸術論」(1)/藤原 実
 
詩は始まった、と言われるのは彼のイメージの詩学が、それまでの詩学における比喩的イメージとは一線を画する、二十世紀的なイメージの先がけでもあったからだと思います。


では、二十世紀とは詩にとってどういう時代だったのでしょうか?

塚原史は「二十世紀的なものとは何か?」という自身の問いかけに、ふたつの「切断」のコンセプトを提示しています。ひとつは「過去との切断」、もうひとつは「意味との切断」です。
そして、「記号表現=シニフィアンを記号内容=シニフィエに結びつける絆は恣意的である」というソシュール(1857-1913)の宣言を「意味との切断」の象徴的出来事と考えます。

[次のページ]
   グループ"『世界の詩論』(青土社)を読む"
   Point(8)