ヒューム「ベルグソンの芸術論」(2)/藤原 実
 
に限界を喪失して、怖ろしきカンディンスキー的融合に傾くにきまっているからである。

            (稲垣足穂「オブジェ・モビール」)
 

現代詩に大きな影響を与えたヒュームですが、自身は作家というよりは哲学、理論のひとであり、夭折したこともあると思いますが、詩人としては上記のような短詩を数編書き残しているにすぎません。また、それらの作品に対する評価も高いとは言えません。
実際にイマジズムを主導し、そのイメージの詩学を発展させたのはエズラ・パウンドでした。


イメージは詩人の絵の具である――そのことを心によく留めてから
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