ヒューム「ベルグソンの芸術論」(2)/藤原 実
 
垣足穂「一千一秒物語」)


マリネッティたち月光抹殺者と違って、足穂はあくまでも「月光密造者」なのでした。 
足穂のファンシーなイメージ、「物そのものとして物を見る」態度、オブジェ嗜好にはイマジズムに通じるところがあるように思います。


あれをどうしようかと思う時に、「時間」の意識が生まれる。只おどろいたり、きれいだなと思って見ている時は、「時間」はそこに無い。
悪人というのは「時間のしもべ」である。彼はすべてにおいて計算によって動く。見込みが立たなければ彼は手を出そうとしない。

彼らはひたすらに「自分の時間」の延長を願っ
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