ヒューム「ベルグソンの芸術論」(3)/藤原 実
 
作品の意味を求めることを止めた。意味の不透明はその思考を透明にすることを証明することがある。」

「……美のための芸術という考えは宝石に加工することであるにすぎない。また炭をダイヤモンドにするという意味にすぎない。僕の求める文学は炭でもダイヤモンドでもない。だが炭を透明な光線にあてることである。アリストテレスの文学論としては炭の真似をすることがポエジーであると考えるし、美のための文学論者は炭をダイヤモンドにすることを考えている。僕の求める文学は透明な光線をつくることである。文学をつくるということは光線にあたる思考をつくることであると思った。」

「新しいボヘミアニズムは理智のボヘミアンであ
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