ヒューム「ベルグソンの芸術論」(3)/藤原 実
 
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「『オブジェー』の詩をつくる作者は非個性的になるべく外面描写にとどまり、情念やモラルや人生観などすべて内面的なものは排除するのである。」
            (西脇順三郎「詩人の肖像」/『日本の詩歌25』:中公文庫)

というような西脇の詩観は、ロマン主義的な「深さ」を希求する旧来の詩人の有り様からはずれたものであり、明治以後、ロマン主義や象徴主義の詩観を西洋詩そのものとして受け入れ信奉してきた日本の詩壇は、これに反発しました。

「心に真のポエジイを持たないところの、遊びのための技芸家、即ちジレッタント」

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