「『自分自身と対決させられるとき、人は何者と向かい合うのか?…(中略)…この愛すべきものはたちまち、その底の見究めがたい……奈落と化するのだ。鏡のなかのおのれの姿を見据えつつ、この奈落に引き寄せられて、きらめく表面の背後を補足し透視してみれば、このときわれわれは、ひたすらおのれ自身にのみ関わり、おのれ自身のみを求めて、ありようは底なしの、家具もなにもない [次のページ] 前 次 グループ"『世界の詩論』(青土社)を読む" 編 削 Point(2)