ヒューム「ベルグソンの芸術論」(4)/藤原 実
 
あらゆるシゲキはその瞬間に過去の類似の経験と比較され、このようにしてあらゆる知覚・認識・思考は、現在の中に過去を見る点で、メタフォリックなはたらきである。」


「われわれが生まれつき持っているメタファーの能力を尊重し、まっすぐに伸ばすこと、そこに新しい思想が生まれるのであり、そのことはF.R.リービスが言う、詩人は彼の時代の意識の先端、意識それ自体が現れるところ、なのだ。なぜなら「考え」は、経験と経験の交流、つまりメタファーにより、進められるものだからである。ここでわれわれは「審判」の失敗へもどってくる。大部分の詩人はいまだにメタファーを「説明」の手段として考え、「発想」のカタチとして考え
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