俺と死神 −夕焼け眼鏡−/蒸発王
 
でいた
昼間の青さがたわんで
空が昼の水色から夜の群青へ着替える一瞬
素肌を見せたような朱鷺色の空肌がおしげもなく広げられている


その夕焼けに溶け込むように
女の子が独り俺の自転車によりかかって
本当に哀しそうな顔で夕焼けを眺めていた
丁寧に三つ編みをゆった色の白い女の子だ
自転車からどいて欲しくて声をかけたら
今にも泣きそうな顔で
眼鏡を無くしてしまって困っています
眼鏡が無いと何も見えずお家に帰れません
貴方の顔もまともに見えないのです
と言う
少女漫画も真っ青な生っ粋の眼鏡っ子だ


心の中で小さな悲鳴をあげながら
流石に気の毒になって
もしかし
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