俺と死神 −夕焼け眼鏡−/蒸発王
 
に自分の眼鏡の調整だと言い訳をしてしまった


じぃちゃんは俺の顔をじっと見ると
納得した様にうなずき

“眼鏡の度があってませんよ”

と言って
俺にオレンジ色のフレームの眼鏡をくれた
俺には似合いそうも無い眼鏡だったけど
とにかく俺は母さんの老眼鏡の下見に来たことを秘密にしたかったので
手早くお礼を言ってその眼鏡をかけ
眼鏡屋を出ていった
下見はまた今度
じぃちゃんが居ない時にしようと思いなおして


眼鏡屋を出ると
調度夕焼けが広がっていた
家と家の間にとろけて落ちていく
夕雲が落ちてきた太陽を取りこぼして
橙の虹彩が雲の隙間からじりじりと滲んでい
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