流星雨の夜(マリーノ超特急)/角田寿星
 
だ。

あ 流れ星。
夜空にまんべんなく降り注ぐ流星群に
子どもたちの翳は歓声を喚げる。
また流れ星。またまた流れ星。
それにしても光の筋はあまりに多すぎて
ケムリさえ立ちのぼるくらいの勢いだ。

子どもたちの翳が夜空に映ってみえる。
願いごとは当分おさまりそうになく
流星をすくおうと両手を伸ばして
暗やみがこわくて今まで泣いてたカラスが
どいつもこいつも
瞳を輝かせて笑っていやがる。

ああ そうだ。
俺もアンちゃんも知ってるんだ
こいつは流れ星なんかじゃない。
空にかつてひしめきあった人工衛星のかけら
そいつの迎撃に発射されたミサイルのかけら
遠いそら
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