面接(17)/虹村 凌
彼女が浴室を出て、脱衣所をも出た気配を感じとってからすぐに、俺は湯船に体を沈めた。俺がすぐに出てきた。
「…言ったのか」
「あぁ」
「…今じゃなくても、良かったんじゃないのか?」
「他に言うタイミングがあるかどうかも、わからないよ」
「それにしたってお前…」
「てめぇだって早く言えって言ってたじゃねぇかよ」
「それはお前、空気とか色々読んだ上でって事だよ」
「もう言っちまった事をグダグダ言うなよ」
「…まぁ、そうだわな」
「…」
「彼女、怒ってるぜ」
「んな事ぁわかってるよ」
「どうリカバリーする気だ?」
「考えてねぇ」
「はァ?」
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