面接(17)/虹村 凌
 

「考えてねぇよ」
「おまっ…」
「んな事まで考えてられっか」
「…」
「必死なんだよ、俺だって」
「必死すぎだろ。無謀だよ」
「笑いたきゃ笑え」
「哀れ過ぎて笑えねぇよ」
「…」
「…まぁ、頑張れよ」
「適当な慰め方しやがって」
「何て言えばいいかわかんねぇよ…」
「俺の癖に、ふざけてんなァ、てめぇは」
 俺は湯船から出ると、真っ暗な脱衣所に立った。リビングから、色々なものが倒れる音がする。あまり、驚かなかった。階下の住人だろう、ドアがガンガン叩かれている。体中の水気を拭き取って、さっき脱いだ普段着を再び着て、リビングに出た。
 食器棚
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