面接(16)/虹村 凌
 
 俺は改札を離れて、家へと向かった。いや、正確には、改札を離れてから家に帰ってきた間の記憶が、すっぽりと抜けているのである。俺が何を考えて、どういう経路で帰ってきたのか、全く記憶にない。とにかく俺は家に帰ってきていて、リビングのソファに腰かけて、セブンスターを吸っていた。崩れ落ちそうな灰に気付いて、ゴミ箱の中に落とす。小さな音を立てて、固まりかけた白いティッシュの上に着地した。
 俺は立ち上がって、ゴミ袋を取り出して、家中のゴミを袋に突っ込むと、その袋を持って外に出た。ゴミ収集室に放り込んだ。グシャリと音を立てて、棚の上を転がるゴミ袋が止まるのをを見届けてから、ゴミ収集室を後にした。ナンプラー
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