面接(18)/虹村 凌
別に、行くあてなんて無い。何処に行こうかなんて、考えてもいない。会社は辞める気だけれど、今後どうしよう、何て事は考えていない。取りあえず、セブンスターに火をつける。よく覚えていないけど、あの女が住んでる駅に行ってみようかな、と思った。確か、中央線沿線で、駅名は…行けば思い出せるかな。乾いた笑いが込み上げてくる。どうせ、行っても無駄だと思うけど。通り過ぎる人が、迷惑そうにこちらを見ているので、襲い掛かる素振りを見せたら、慌てて逃げていった。だったら、喧嘩売るようなマネしなきゃいいのに、と思った。
電車を乗り継いで、それらしき駅についた。中途半端な駅だな、と笑う。以前、ホームから見えるとか
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