面接(18)/虹村 凌
とか聞いてたのを思い出して、駅を出てから、そこらへんの家の表札を見て回った。すぐにそれらしき表札の下がった家を見つけて、ためらいなくインターホンを押した。しばらくして、あの女によく似た声の女が出てきた。俺は何を考える訳でもなく、自分の身分を明かしてから、女を呼んでもらうように頼んだ。
「あの…」
「いない?」
「いえ…」
「どうしたの?」
「お姉ちゃんは、5年前に…」
死んでいた。そんな事は知っている。随分、昔の事の様に思える。女の骨が何処に埋まっているのか聞き出してから、俺はその家を離れた。
女の眠っている霊園は、そこから少し離れた場所にある静かな霊園だった。確
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