俳句の非ジョーシキ具体例3/佐々宝砂
母を脱ぐ
血を浴びて
いまだ名もなし (高柳重信)
すでに忘れられたとおぼしき「俳句の非ジョーシキ具体例」シリーズ、まだ終わってはいない。天災のごとく忘れたころ(実を言えば他のネタが尽きたとき)突発的に発表されるので、お見知りおきを。
で、高柳重信だ。このひとは凄い。上の俳句を読んで下さればおわかりのとーり、行分けでカラ改行までしてしまって、しかも「これは俳句だ」と主張するものすごい人である。この点ですでに非ジョーシキだ。私にとってはじめて出会った高柳重信の句が、上に引用した句だった。一読して、私はぶったまげた。詩歌句を読んでこれほどぶったまげた経験はかつてない。そもそも行分
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