遅咲きの桜に腰かけて
非難の視線を浴びながら
枝を揺すって花を散らせた
早咲きになりたいって
私が私だけで不足なら
別のなにかで補うしかない
熟成するバーボンのように
人が報われる話を書きたい
できれば死後ではなく
生きてる間に
池の彫像が凍り
ダイアモンドの降る夜
人々は平等に薔薇を持ち
生と死にかわり
玄関前に立っている

その問いに
正しく答えることはできない
そのまま立ち去ることも
できない


 ....
鉄塔と鉄塔をつなぐ電線を数えた
ゴゴゴゴと風の音がして
雨粒が駐車場に落ちてきた
小走りになる新しいひとたちを
縦に迎えながら
紫の雲は硬く流れずにいた
あなたの回線の端に立って
一生終わりそうにない
ダウンロードをしてる
モールの画材屋で
ホルベインの水彩セットを買った
施設に行くと
祖母は食堂のテーブルで
ニンニクの皮を剥いていた
お誕生日おめでとう
リボンをつけた木箱を渡すと
高かったでしょう?10万 ....
水の流れる壁に
透けて見えるのは
彼らが存在していないからだ
ネコの耳をした少女が
暗闇の中を近づいてくる
いつも裏目に裏目に
出る

よく来たわね
オートマータが怖かったでしょう? ....
休日になると見えるようになる世界で
人々は自分の身体を機械化していった
もっと生きられるように
もっと自由でいられるように
意識を電脳に移し、命を共有して、
孤絶した

生者の世界の生者 ....
私と同じ眼をした明かりが
灰色の空を照らしていた
誰もがそこに立って諦める場所で
タンゴのリズムを踊った
同じ眼をした種族が
現れては消える
幻視

右のまぶたが痙攣して
彼らの信号 ....
ほどなくして雪は止み
あとは静寂につつまれた
彼は今でも海竜と戦っているだろうか
私は奇蹟を待ちながら
奇蹟とはその心だけなのだと知る
どんなに着飾っても
一度に履ける
靴は一足
あたたかい記憶
あたたかい身体
あたたかい希望
あたたかいごはん
あたたかい未来
あたたかい読書
あたたかい夕べ
蛇口を開けて
手の感覚がなくなるような
冷たい水で顔を洗う
流れによる
かすかな熱移動で
万年雪の下に
小さな水溜まりを作る
学校から帰ると
テーブルにロールケーキが
ふたつ並んでいて
チョコレートとバナナクリームの
2種類があって
わたしは弟に先に選ばせた
今日みた夢の中の
同じ風景は
すこしだけ大人になっ ....
春を追いこして夏のような
日射しを避けて
市内の茶屋で
みたらし団子を食べながら
足下の干涸らびた蛙に
水をもらってかけてやると
おどろいてちょっと跳ね
またノシノシと戻ってきた
残り ....
夜になり
気温が下がると
子供たちの咳は
ひどくなった
地上から浸潤してくる氷水を
順番に舐めに行った
毛布が欲しかった
ただ死なない
それだけの私たちを
地下に閉じ込めて
外から ....
久しぶりのお酒で
酔っぱらって
森の墓地にある
友人の墓に
寄ってみたり
ビンゴで当たった
3DSを供えてきたり

して
それを
今から取りに戻ろうと
してる




 ....
愛してくれるなら
誰でもよかった
私は誰かを愛したり
しなかった
だから
式が近付いて
思うことは
本当のものなどない
という
諦めの感覚と
口から
C4をとりだして
壁に穴を ....
河の流れはだんだん速くなって
海が近いことを知らせていた
私たちはクロコダイルの肉を
焚き火にかざしながら
今後のことを相談し話し合った
火に砂をかけ辺りを闇に返すと
星たちがそれを奪い合 ....
小さな町で生まれても
望みさえすればどこへだって行けるのに
もう会わないって決めることに
どんな価値があるの?
野菜の種を食べても
私から生えてこないのは何故







 ....
今すぐには無理だけど
ある程度大きくなれば人は成長が停まるから
心配しなくても私はあなたに追いつくわ

そういう日がきたとしても
きみはもう気持ちを忘れているよ
そんなつまらないことを気に ....
無垢を着た少女が
新聞のように地図を広げて
前も見ずに歩いてくる

昨日の私が車の窓を開けて
煙草の匂いを消している

大学病院の屋上で
柵越しにこちらを見ている二人

コンクリー ....
水族館の水槽を見上げていると
星々が落ちてきた
魚たちは群れとなり
あるいは一人で泳いでいる
まるでそんなことは
ないかのよう

ねえ、これが星の海だとしたら
海の下はなんて呼べばいい ....
赤い皮を剥いで染料をとる着物
地獄は怖いかとたずねてくる老婆
風車の駅の錆びた蝦蟇
割れたレコード
心配そうな顔

わたしはもう3回目の生まれ変わりなんだよ
死んでも現世は続いているんだ ....
悪魔の森から
ギターがきこえる
お前は
言葉を
やめたほうがいいと
あの時間は写真のなか
あの声は誰かのもの
ネコの伸びをすると
あちこちから音がした
使ってあげられない身体の
内側からノックされてるみたい
でもね
ギプスがないと歩けないし
眼鏡がないと明日がみえない







 ....
玄関先に
雪が積もってた
足跡をつけないように
外へ出た
銀色の球体を遠巻きにして
心臓のない子供たちが
エネルギーを待ちながら
停止していた
水没した水族館
海を塞き止める巨大な梁
深淵の揺らぐ魚
停電
深海ケーブル
mizunomadoka(580)
タイトル カテゴリ Point 日付
spring fairy tale自由詩112/4/14 18:13
old barrel自由詩012/4/14 17:55
uphill road自由詩212/4/14 17:35
問いかけ自由詩512/4/10 22:58
13自由詩112/4/10 18:12
circuit自由詩212/4/9 19:24
四水園自由詩512/4/8 17:35
killing自由詩112/4/8 17:19
微熱自由詩112/4/8 14:23
might-night-sight-light自由詩312/4/3 20:45
同じ果て自由詩312/4/2 20:54
朝の礼自由詩112/4/2 19:30
週末自由詩112/3/31 14:43
電熱線自由詩212/3/31 14:30
ロールケーキ自由詩612/3/26 20:53
日陰自由詩612/3/26 20:39
地下400自由詩412/3/26 20:18
四次会自由詩212/3/25 5:12
blighted rose自由詩212/3/25 0:29
火星自由詩412/3/25 0:06
disharmony自由詩112/3/20 21:05
愛はあったけれど自由詩012/3/20 19:44
high-land自由詩312/3/18 0:13
星の海の底自由詩412/3/17 23:51
手引き自由詩112/3/17 21:00
deala自由詩212/3/11 10:18
終わる旅自由詩012/3/11 10:12
もうすこしまって自由詩112/3/10 17:36
旧式自由詩412/3/8 22:04
遭難自由詩012/3/7 22:26

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