氷点下の海面をすべるように歩いてくる
トラ皮を纏った大男

コーヒーを淹れ、読めない文字の本を開き
そんな話じゃないかと夢想する

職人の手で瓦をはぎとり
レッドシダーが三十年ぶりの陽を ....
電気を消した森の
カラス
教室ベランダ紫陽花と
舞い踊った校庭の砂

瞼を閉じてゆれる
きみの前髪
青い雨が降る惑星で
ディーラーの投げる裏表のないコイン

表に賭け、表だと告げる

なあ、あんたなら
この星が買えるまで稼げるぜ

女たちが歌う

誰も外を見ようとしない


 ....
「もう誰も住んでないわよ」
「転居先は?」
「知らない」
もういちどドアを叩いてみる
「無駄だって」
階段の女が言う

男は手すりに酒瓶を置く
「じゃあきみにやるよ」
「禁酒中なの」 ....
知ると集めたくなる
際限なく懐に容れて

千億枚の世界、見切れない世界
知りたいから知らない

花の首を折って手の平にのせて笑う
くらやみに
死後が浮かんで
あなたが消えた

これから生まれてくる
後の世界を書いて

真空のドーム
ガラスに手がふれる

星に、ぶつかればいいのに
彼岸花が咲いてた辺りに
今は桜が咲いてる

誰かの雨を
涙と勘違いして
小雨降る
最後のフェリーを
船底で待つ
魚の群れ
人が去り
忘れられた運河
海底を宇宙とつなぐ

手の先に
必ずあると知ることで
変わるものがなくてもいい
クリスマスの思い出よりも
去年の反省よりも
新年の目標よりも
昨日
暗い路地でゴミ箱を探っていた老女に
私は親切にするべきだった
雨に濡れて
雪で凍って
これ以上息が吐けなくなった
私を形作った何かが
年賀状にAir Mailと書き忘れたので
私の想いがとどくのは
一ヶ月後かもしれません
パビリオンのツリーの下で
子供たちが歌ってる
金色に塗られた柱を背に
その声を聞いている
数々のツリーやスノーハウス
子供たちを乗せて走る機関車
風船のプレゼント
赤い絨毯の上に敷きつめ ....
先を歩いていたあなたの
姿が見えなくなって
やがて足あとも消えた
砂漠の何もない町で私は
水だけを買って店を出た

かすかな電波を拾い
疲れた馬を励ましながら歩く

私が疲れても立ち ....
彼女の背後に男が立っていた
時間も場所も分からない

男は小さく手を上げる
さよならするみたいに

彼女はふりむいて、誰かの名を呼ぶ
雪の下にビスケット缶が埋まっている

破れた写真 ....
彼女は雪の墓地に立っていた

長かった髪は短く
麦畑のような輝きはもうない

ビスケット缶を持つその手だけが
昔のままだった

膝までしかない小さな十字の
雪を払い
彼女は遠く ....
タンブラーに紐を通して
腰に巻き付ける

梯子から見上げた
空がとっても高い

改装中のホテルが間違って
うちの電線を切って

エアコンの効かない部屋から
貯水タンクの影に逃げこむ ....
海外にきて1ヶ月
ずっと風邪を引いてる
ホテルのベッドで横になりながら
音楽をきいて本を読みネットをして
また眠る
ルームサービスにも慣れてしまった
途中から贅沢とは考えなくなった
ベラ ....
仕事中ふと
椅子の数を数えてみたくなった
ずいぶん移動しているけれど
小さな店なのでそんなに難しくはないだろう
幼児用の椅子が足りなくなったり
学生がテーブルをまとめて島を作ったり
床のコ ....
「もう冬だね」
「ずっと夏だよ。私は」
「じゃあ、夏に死んだのね」

「海に落とさないでよ!」
スコープで遊ぶ子供たちを叱る
エリザベスの声

観光客から離れた場所で鉄柵にライフルを並 ....
派手なサリーを
細く切り取って
地味なサリーの
サイドに縫い付ける
飾り縫いは50円ちょっとの稼ぎだから
エアチケットにはまだまだ遠い

余り布をもらって帰り
ベルトを編みながら
日 ....
世界は硝子で
ハンマーに打たれてバラバラになった

世界はね、断片を集めたよりも大きいんだよ。

どうして先生?


今日これから会う人たちを
私の子供だと思って
ちゃんと優し ....
帽子ひとつで海に行く
浜辺に大きな銀色の傘
木陰に避難しながら
水売りをさがす

空と海と浜辺

反射しながら溶けていく
母と同じくらいの女性

スカートの裾が海水にふれる
砂に ....
従姉妹の貸してくれた
蒼天航路を読んでいて
いつからか絵ではなく
文字を追うようになっていたことに
気付いた

小説を読んでいても
映画を観ていても
存外を求めながら
自分の望む物を ....
薄い
本なのに
読み進めていくごとに
死者の数が増えていく
人の営みとは?
逸り求める
答えを
土に浸して
熱を持った頭蓋を
冷ます
上体を起こして肩当てとモヒカンを外しながら
ヒャハーと小さく呟いてみる
今日の台詞はこれだけだったけれど
会心の出来だったな

帰りのローソンで
チョコレートを16個も買ってしまった
J ....
グローブを投げても
届きそうにない白球を
見送って
近所の売店のアイスボックスの
スライドを上げる

手を入れる
当たり付きを探す
通りがかった同級生に
当りだったらやるよ
と ....
焼け落ちた廃屋
暖炉
血塗れた鋼
少女
デュラハン
流水の音で目覚める
傍らには骸
ここはどこ
秋のよう

銀銀杏の根に眠る
千年の果て
シャベルをあてて枯らそうか
それともここで
待とうか

セラミック
パネルの点滅


 ....
mizunomadoka(580)
タイトル カテゴリ Point 日付
redcedar自由詩013/6/12 16:21
crow in forest off the light自由詩113/6/10 22:00
6月自由詩313/6/10 21:50
heads or tales自由詩313/6/10 0:36
desert rose自由詩013/6/9 1:07
simpleminded自由詩113/6/7 12:37
夜の上辺自由詩413/4/29 16:25
午後のサイレン自由詩313/3/24 13:42
Jetty自由詩213/3/22 2:47
cosmic remote method自由詩113/3/20 14:17
Melaka自由詩513/1/3 14:20
on my own自由詩213/1/3 14:19
Happy new year自由詩313/1/3 14:18
KL自由詩212/12/23 15:54
ひとり自由詩412/12/8 1:31
snowfall自由詩412/11/28 10:00
snowcemetery自由詩112/11/28 9:59
題名自由詩412/11/23 20:29
自由詩312/11/18 21:24
椅子自由詩412/11/15 22:49
ベンズ岬自由詩212/11/3 11:31
India自由詩212/11/2 22:57
土壁自由詩112/10/30 20:22
penang自由詩512/10/30 19:59
荀彧自由詩212/9/15 12:22
数万年自由詩212/9/11 22:31
old memories自由詩212/9/11 21:25
ポータル自由詩212/9/9 20:19
compassion自由詩012/9/9 11:41
銀銀杏自由詩112/9/9 10:39

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