悪魔

人間をはるかに超越した力を持っているが
この悪魔ってやつにも色々と制約があって
たとえば人間の部屋に現れたときに
入った場所からじゃないと出て行けない
なんていうのもそのひとつ ....
1. 午後に

だれもいない海岸
南国のプライヴェート・ビーチ
抜けるような青い空
まばゆい陽射しが降りかかる
ウェーブのかかった豊かな黒髪を
赤い大輪の花かざりでたばねた
ハシバミ色 ....
「法外なキャベツの値段」

買い物がからみついて
キャベツが吸いこまれた
買い物がからみついて
キャベツが吸いこまれた
青くさい微熱のその隣りに
黄いろい訪問客があった
あるいは台風を ....
跳ね橋が大仰に躍りあがって
銀色の甲冑が通りから姿を消すと
野の草は踏みにじられ
海辺での音のない静かな絶叫は
ふもとの町から遠ざかる黒い血だ

精緻に組まれた全体の隊伍をぬって
トラン ....
1. かどの丸いものとさきの尖ったもの

新しくきたひとに かどの丸いものが
ゆうべのうちから あべこべに裏がえった
苦しまぎれの 行為の代償に 足もとから
入りこんだらしくて 熱狂的に泣い ....
 窓の外に挙動不審者がいる。怖い。
 昨日の夜もいた。
 二階の部屋のカーテンのすきまからそっと表をうかがう。
 不審者は家の前の電柱に半ばまで登って、そこにしがみついていて、顔を半分のぞかせな ....
グラウンドを白線が伸びあがり
休日の足跡をふまえるとき
光線はオレンジの斜面を傾ぎながら
予定の収穫を浚おうとしている

土の内部から気泡が生まれて
倒れた彼女を包み込んだけれど
それは ....
1. パセリと手紙

 晴れた日にディーディーは死んだ。
 さっきからぼくはパセリを見ている。人工的な見栄えのあざやかに澄んだ緑色のパセリを。銀色のスプーンを脇に押しのけた。とりあえず何も考えて ....
愛想をください
愛想を、ふたつ、ください
遠まわしの言いかたで苦しめられない
番号の割りふられない愛想を

つれなくしてください
むしろ、つれなくして、ください
飼いならされた狼にだって ....
平日の午後の淡くうすらいだ日差しは
ここ植物公園の順路にも平等に降りそそいでいる
ダッフルコートを着たタイピストが古びたベンチで
自分宛ての手紙を子細らしく開いている

吐息のような西風が広 ....
鉄塔なんてものは
屹立してなけりゃなりません
全部のスイッチを押さないで
凍死するんじゃありませんか

民間のレベルでは
横顔は犯罪だそうです
ヒップはたわわに揺れるそうです
なるほど ....
無罪ではあるが越境途上の死だ
あるいは断罪された避雷針の廃墟だ
黒いチョコレートをかじりとって猥雑に事務的に
いくたびも右曲がりに滑稽なうすぐもりの空だ

五分後に規則正しく振り切られるマタ ....
用がないのなら蔑んでほしい
花瓶に毒薬を満たしてほしい
洗浄された小さな濡れた手を無造作によこして
あの虜囚の唇をバラバラにしてほしい

街頭の窓からそぞろ歩きする骸骨をみたんだ
そいつは ....
hon(43)
タイトル カテゴリ Point 日付
悪魔、舵輪、その他自由詩407/3/23 23:36
バカンス自由詩407/3/20 21:09
火事場を知るものはいない自由詩207/3/18 21:35
夕暮れの王自由詩007/3/11 22:09
かどの丸いものとさきの尖ったもの自由詩107/3/5 0:19
挙動不審者散文(批評 ...2*07/3/2 0:09
気泡自由詩507/2/19 1:03
パセリと手紙のある浮き島散文(批評 ...207/2/17 0:43
愛想をください自由詩307/2/7 20:53
重力を使いきってぼくらは自由詩307/2/2 22:02
加湿器のゆううつ自由詩207/2/1 22:13
無罪ではあるが自由詩407/1/31 22:31
消毒された夜の怪物自由詩407/1/30 22:13

Home 戻る 最新へ
1 2 
0.11sec.