[3]佐々宝砂[2004 11/28 00:20]
こと電光影裡如何に生きむぞ


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 石とならまほしき夜の歌 八首
 
石となれ石は怖れも苦しみも憤(いか)りもなけむはや石となれ

我はもや石とならむず石となりて冷たき海を沈み行かばや

氷雨降り狐火燃えむ冬の夜にわれ石となる黒き小石に

眼瞑(と)づれば氷の上を風が吹く我は石となりて轉びて行くを

腐れたる魚(うを)のまなこは光なし石となる日を待ちて我がゐる

たまきはるいのち寂しく見つめけり冷たき星の上にわれはゐる

あな暗や冷たき風がゆるく吹く我は堕ち行くも隕石のごと

なめくぢか蛭のたぐひかぬばたまの夜の闇處(くらど)にうごめき哂(わら
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