黄金探偵/佐々宝砂
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金色のシルクハットに蝶ネクタイの探偵。
KKKみたいな白頭巾のおく金色の眼を光らせる探偵。
ゴージャスな金糸のドレスをまとって婉然と微笑む探偵。
髑髏の仮面をつけて金色のマントをはおった探偵。
盗人を追いかけるきみの行く手に、
金色のクエッション・マークが灰色のジャケットを着て立っている。
きみは次第に混乱してゆく。
盗まれたものは一人称代名詞なのだが、
登場人物の誰ひとりそれを活用してはいないのだ。
盗んだのはきみで、
盗まれて探偵に依頼したのはきみで、
依頼人に依頼されたのはきみで、
きみは、誰だ?
菜種梅雨はもう過ぎてしまったら
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