深緑原子/A道化
足は
深い草の中だった
踏んでいるつもりで踏む足音は
深く柔らかな草の中からだった
うらぶれたいだなんて、高架下
うらぶれたいだなんて、アスファルト
いつからか、踏んだ影はいつも夜だ
不自然な発光空間に、ヒリヒリ
遊んでいる振りがひしめき合う夜に
ねえ
酔っているのはお前だろうと笑ったら
酔っているのはお前だろうと笑ってくれ
そして
黙って
真っ白い頭痛薬なんて今更真っ白くて恥ずかしくて
素気無く押しやる掌の温度が幾分か平均よりもぬくいこと
嗅ぎつけては黙って握ったら、ただ、黙って握って
揉み消しあっているうちに朝が来て、何度も
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