長期休夏/霜天
 
っているのだろう
そういえば、隣の林さんも最近見かけない
挨拶を交わした記憶がないのは、いつからだろう
そのことに誰も触れないのは
みんな何かを知っている、せいなのか
そこには誰がいたのだろう
僕は僕で、空白の街に行方不明になる


 *


君の夏は、一向に良くならない
あの裏道に化石が落ちているらしいから、と
投げかけるボールは、音も無く打ち返される
ひとりでそこまで見に行くと
色んな生き物が集まっていた
輪の中心には、君と話した足跡が
石のように重く、重ねられていた
気のせいか、君の靴よりも大きくなっている
集められた生き物たちは
みんな、薄い顔をし
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