ポップで泥臭い人情劇 〈芝居〉『カラフト伯父さん』 2005/06/16/白糸雅樹
 
 ぼろっちぃ鉄工所にひとり帰ってきて、カップラーメンを食べようとしている青年。そこに中年男が「カラフト伯父さん、だよーん」とおどけながら入ってくる。また迷惑をかけに来たのかとばかりに邪険にする青年。東京で借金だらけになって逃げ込んできて、とりあえず金を貸してくれと頼む中年。「金なんかあるかいや」と突き放す青年。おかまいなしに、妊娠しているストリッパーの女を連れて、でかい荷物を持ち込む中年。ドタバタの挙句に、青年に金が入るまでぬけぬけと居座りを決めこんでしまう。

 ひたすらおどけ、時に青年に父親ぶって説教しようとする男と、ただ軽蔑し、迷惑がっているだけに見える青年。しかし、話が進むにつれ、もし
[次のページ]
  グループ"れびゅう:舞台"
   Point(1)